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Twitterまとめ投稿 2017/04/02 [moblog]


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「怖い絵」 [電子書籍]


怖い絵<怖い絵> (角川文庫)

怖い絵<怖い絵> (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2016/03/25
  • メディア: Kindle版


内容紹介
残酷、非情で甘美……名画の“怖さ”をいかに味わうか。「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」。絵の背景にある歴史を理解してこそ浮き彫りになる暗部。絵画の新しい楽しみ方を提案して大ヒットした「怖い絵」シリーズの原点が、満を持しての電子書籍化。ドガの『エトワール』、ラ・トゥールの『いかさま師』など全22作の隠れた魅力を堪能!
電子書籍版の絵画はすべてオールカラーで収録されています。
本書には、紙版に収録されていた以下の2点の絵は収録されておりません。
フランシス・ベーコン「ベラスケス〈教皇インノケンティウス十世像〉による習作」
岸田劉生「切通之写生」

日本に残された芸術の世界は、
基本的に絢爛豪華なものであったり、
仏教関係であったり、
当時の暮らしを写し取ったような作品は少ない。
むろん残ってはいるのだが、
鳥獣戯画のようなものが多く、
そこに悪意やとんでもない社会の秘密が潜んでいることは少ない。
日本人は皮肉を洒脱に描く方向だったのかもしれない。

一方のヨーロッパは、
宮廷が抱えた画家たちも多く、
あるいは宗教画も多くあり、
いろいろな意味で古くからの名画の宝庫である。
いわゆる「パトロン」の存在が、
才能さえあれば絵をかいて生活することを許した。
しかし彼らとて、
注文に応じた美しい絵ばかり書いていたわけではない。
当たり前だ。
おべっかばかり使っていればいつかは限界が来る。
そのはけ口が必要だったはずだ。

この本では時代背景やそこの描かれた人たちの氏素性の推測、
描いた画家たちの立場や心持、
いろいろなものを解説しながら、
一枚一枚の絵をじっくりと眺められる。

実際王族や貴族に飼われていた画家は、
気に入らなければ捨てられる。
その一方で好きなものを書いている画家も、
ただ美しいものをかくばかりではない。
誰もがほめそやす美しく描かれた作品の一方で、
人間や或いは神たちのいたずら心や残酷さ、
そういうものを描かずにいられない。

結構ショックが大きかったのが、
ドガの踊り子たちについての記述である。
純粋に美しい踊り子たちを描いていたと思っていただけに、
当時の時代背景や踊り子たちの立場、
そういう社会だったのかと初めて知った。

日本人には想像もつかない社会の在り方は、
芸術にも暗い影を落とす。
その「怖さ」を知ってからまじまじと見ると、
何とも血生臭い戦争と権力争いの歴史を垣間見ることができる。

こんな芸術鑑賞もけっこうおもしろいものである。

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