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「美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道」 [電子書籍]


美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道 (文春e-book)

美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道 (文春e-book)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: Kindle版

内容紹介
2018年が女優生活60周年となる岩下志麻さんが自らが出演してきた数々の作品について詳細に語り下ろしました。岩下さんほど多彩なフィルモグラフィーを持つ女優はなかなかいません。60年代前半は巨匠・小津安二郎監督の「秋刀魚の味」に主演し、「古都」「雪国」など川端康成原作の作品では可憐な演技を見せて松竹の清純派看板女優として活躍。順風満帆の女優生活でしたが、67年、篠田正浩監督と当時タブーとされていた主演女優を続けながらの結婚に踏み切り、独立プロ「表現社」を立ち上げて新たな道を切り拓きました。「結婚したからダメになったと言われたくない」との思いを抱いて篠田監督と二人三脚で「心中天網島」「はなれ瞽女おりん」といった名作を生み出します。74年に出産から復帰すると松竹を退社、「鬼畜」「疑惑」といった松本清張原作・野村芳太郎監督の一連の作品で情念の女を演じ、新たな一面を披露します。80年代~90年代はなんといっても「極道の女たち」シリーズ。こうした作品についてはもちろん、「五瓣の椿」「卑弥呼」「悪霊島」「鬼龍院花子の生涯」「瀬戸内少年野球団」といった記憶に残る作品、さらに大河ドラマ「草燃える」「独眼竜政宗」「葵 徳川三代」に関する秘話も満載です。今でこそ「大女優」のイメージが強いですが、岩下さんは、主演女優をつとめながらの結婚、出産、独立プロでの映画製作などタブーの打破、新しいことへの挑戦を続けてきた反骨の人です。また「普通の人の役はやりたくない」と言い、悪女、狂女でこそ輝きを発揮してきました。インタビュー・構成は「あかんやつら」「天才 勝新太郎」など映画愛溢れる作品でお馴染みの春日太一さん。岩下さんの言葉から、医者志望で女優に興味がなかった高校生が、徐々に女優という仕事に憑りつかれていく様子を浮かびあがらせます。女優の年代記であり、仕事論であり、同時に美の下に隠す狂気を語った濃厚な一冊です。

あとがきを読んでびっくりした。
「芸能生活60年」「1941年生まれ」
とてもとてもそんな年齢に見えないだけに、
本当にびっくりしてにわかには信じがたかった。

私にとって一番強烈だったのは、
「極妻」でも「悪霊島」でもなく「疑惑」だった。
どうみても怪しい容疑者である桃井かおりに対して、
高飛車で上から目線のエリート弁護士。
本音では怪しいと思っていても、
弁護士としては無罪を勝ち取りたい。
私生活では我が子を手放すか否かの瀬戸際にありながら、
職務に邁進する彼女の凛とした姿は美しかった。
そしてラストシーンで、
ハッとするような白いスーツで現れたかと思えば、
赤ワインをかけあう何とも強烈な女の自我のぶつかり合い。
私にとっての岩下志麻は「疑惑」の弁護士そのものだったのだ。

今回このインタビューを読んで、
哀しいことにほとんど彼女の作品を観ていないことに気づいた。
「影の車」などマニアックなものは観ているのだが、
彼女よりも子役の不気味さが強烈で、
すっかり彼女の存在を忘れていたり、
若いころの作品は残念ながら年齢的に観られなかった。
おかげでAmazonのウォッチリストに彼女が並んだw。

それにしても、
役作りにかける半端ない内面からのアプローチは、
彼女が精神科医になりたかったという、
過去の歴史からくるものだということがよく分かった。
そのこと自体知らなかったのだが、
彼女があの強烈な美貌と存在感ながら、
役に入り込んでなりきるすごさは、
そういうところから発生し、
それは撮影中憑依するかのように付きまとい、
撮影後もしばらくは抜けないという。
それだけ彼女が深く入り込んでいる証拠なのだ。

さらに何とも言えずうなったのは、
「時代劇研究家」と言いつつ、
現代劇もものすごく観ている春日太一という人のすごさ。
町山さんと宇多丸さんと春日さんが集まると、
もう本当にそんじょそこらの映画評論家は、
「もう黙ってくれませんか」という域に達しているから、
そこに足を突っ込んでしまった私は、
今後も並大抵の映画評やインタビューじゃ満足できそうになり。

なぜ今岩下志麻なのか。
それは彼女が戦後映画を生きた女優だからだ。
これほど美しく狂おしく、
そして役柄になりきる女優はなかなかいない。
女優はどこかで「自分」を引きずるものだが、
彼女は本当になりきってしまう。
それもあの美貌で。

戦後映画の楽しみを見つける意味でも、
このインタビューはとても有益である。
騙されたと思って読んでみてほしい。
もちろん春日太一の質問も素晴らしいから。

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「いつも旅のことばかり考えていた」 [電子書籍]


いつも旅のことばかり考えていた

いつも旅のことばかり考えていた

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/07/04
  • メディア: Kindle版


500倍の料金をふっかけ、ニセの耳アカを見せて、耳掃除を強要する男。寒いからと牛に抱きついて眠る人。巨大な木製タンス状のコピー機。バス後部に命がけでへばりついて無賃乗車する人。便器用の水で作られるコーヒー……。やはり世界は驚異に満ちているのだった。旅の達人による珠玉のエッセイ全75編。

久しぶりの蔵前さんの旅本。
自分は旅行はまったくしないのに、
蔵前さんの旅本は好き。
豪華でもなんでもなく、
現地の風習や奇妙なところを受け入れながら、
面白がっているところが大好き。

普段の生活をしていても、
人生は予測外のことがたくさん起こる。
自分が原因の時もあれば、
降ってわいてくることもある。
それが旅先となれば、
ましてやインドや東南アジア諸国となれば、
文化も歴史も全く違うのだから、
その予想外もはるかに想定を超える。
もちろんそこでフリーズしてしまう人もいるのだろうけど、
蔵前さんはひたすら好奇心で突っ込む。
といってとことんまで行くわけではなく、
ちゃんと引き際も心得ている。
だからここまで旅も続けてこられたわけで。

日本人の几帳面さや律義さは国際的評価に値するものだけど、
それが人を追い込むことも確かなわけで、
「ゆるく」「適当に」「深く考えず」
「まぁそういうものだよ」って感じでいることも大事だなぁと。
もっとも最近の日本は、
企業もお役所もかなりいい加減になっているようで、
国民は信じているからなお始末に負えないのだけれど。

日本人は一から十まできっちりやることを教えられてきたから、
手の抜きどころを知らないのかもしれない。
産まれたときから「まぁまぁ」で生きてくると、
「ここさえ押さえておけば大丈夫」というところがわかるのかも。

こういう旅本を読むと、
日本人との国民性や習慣の違いとともに、
日本人に足りないものを実感する。
それはとりもなおさず自分のことなんだけどw。

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「美人になることに照れてはいけない。 口紅美人と甲冑女が、「モテ」「加齢」「友情」を語る」 [電子書籍]




内容紹介
どうしたら女性であることを楽しめるのでしょうか?
おしゃれをしたくとも恥ずかしかったり、他人の目が気になって好きな服も着れなかったり――。
『赤い口紅があればいい』で美人に見えるテクニックを明かしたシンガーの野宮真貴(口紅美人)と、『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』で素直に女を楽しめないことをぼやいたコラムニストのジェーン・スー(甲冑女)が、「女」と「女の人生」の歩き方をとことん語り合います。

実は私も二人に影響されて、
MiMCで野宮さんプロデュースの赤い口紅を買いましてw。
本当にびっくりだったのは、
「日本人の顔色に合う赤ってこういう色なのか!」
スーさんと同じでインプットされていた赤とは全く違ったこと。
仕事には色付きリップで過ごしているけど、
ちょっとしたお出かけの時には愛用中。

今回二人の対談を読んでいて思ったのは、
「美人」っていうのは「なるもの」だということ。
だっていくら素材が良くても、
素材だけで勝負できるのは若いうちだけ。
年齢を重ねればそれなりにちゃんとしないと、
「美人予備軍」に格落ちするものだなぁと。
逆に言えば、
つくりは決して美人じゃないけれど、
たたずまいとか生き方が美人な人、
決して派手ではないけれど、
上品というかさりげなくおしゃれな美人、
それってやっぱり生き方なんだなぁ。
「美人」っていうとハードルが高いけれど、
「チャーミング」とでも表現すればいいのかも。

そういう意味では二人ともとてもチャーミング。
スーさんは時折激しい甲冑女が出るときもあるけど、
時の流れの中でずいぶん丸くなって、
年齢相応のチャーミングさを感じることも多くなり、
彼女は自分の生き方を楽しんでいるなぁと思う。

この本の中にもあるけど、
楽しくなければ美人にもなれない。
そりゃそうだ。
心は知らず知らずのうちに顔に出たり態度に出たり。
カリカリしていたら、
どんな美人でもチャーミングじゃない。
楽しければ笑顔でいれば、
その醸し出す雰囲気が人をチャーミングにする。

う~ん。
ものすごくわかりやすくて面白かったけど、
今の自分にできるかなぁw。
人生の厳しい局面に差し掛かって、
チャーミングでいるために、
美人予備軍でもいいからそこにいるために、
できることから始めよう、
そうしないと本当にただの年増女になってしまう・・・。

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「ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲」「ダーリンは71歳/高須帝国より愛をこめて」 [電子書籍]


ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲

ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2016/11/01
  • メディア: Kindle版



ダーリンは71歳/高須帝国より愛をこめて

ダーリンは71歳/高須帝国より愛をこめて

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2017/08/13
  • メディア: Kindle版



ああ、もう、
これだけ読んでいるとかっちゃんって、
すごい人だしかわいい人なのになぁ。
いや、実際すごいしかわいいんだろうけど、
なにせバリバリ右寄りの政治的発言がなぁ。

まぁとりあえず、
この人の場合はすべてが規格外だから、
全部許しちゃうしかないかw。
嫌いとか好きとかいうよりは、
もう日本には必要な人としか言いようがないし。
今までにどれだけの人を本業で幸せにしてきたか、
それだけでも充分な功績だし。

なんでサイバラが熊なのかもわかったし、
「熊嵐」本当に読んでみようかなw。

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「国境なき医師団」を見に行く [電子書籍]


「国境なき医師団」を見に行く

「国境なき医師団」を見に行く

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/11/28
  • メディア: Kindle版


内容紹介
大地震後のハイチで子供たちの命を救う産科救急センター、中東・アフリカから難民が流れ込むギリシャの難民キャンプ支援、フィリピンのスラムで女性を守る性教育プロジェクト、南スーダンから100万人の難民が流入したウガンダでの緊急支援――。作家・いとうせいこうが「国境なき医師団」の活動に同行し、世界のリアルな現場を訪ねる傑作ルポルタージュ。日本の小説家がとらえた世界の今と人間の希望とは?
内容(「BOOK」データベースより)
生きることは難しい。けれど人間には仲間がいる。大地震後のハイチで、ギリシャの難民キャンプで、マニラのスラムで、ウガンダの国境地帯で―。日本の小説家がとらえた、世界の“リアル”と人間の“希望”。

先入観を持たず、
敢えて何の前知識もないままにMSFの見学に向かう筆者。
見学者であるがゆえに、
本当に危険なことには触れていないのかもしれない。
もちろん見学者だからこそ、
見せられるところしか見せないこともあるだろう。
けれどMSFはあくまでも見学者として、
さらには世間への報告者としての筆者に対して、
真摯に現状を見せることを拒まず、
これからどうなっていくのかまで考えさせたのだろう。

衝撃的だったのは、
今一番問題になっているシリア難民が流入するギリシャだ。
難民である彼らにインタビューをしても、
本当につらいことは、
筆者の側もある程度想像がつくので聞けない。
でもそこにいる彼らの姿と、
MSFの話から充分すぎるほどに伝わってくる。
陸を歩いてくる難民と海を渡る難民。
そこに横たわる見えない規制線。
そして浜辺に打ち上げられる弱者の遺体。
島国の日本では考えられない、
地続きであったり、
あるいは地中海を挟んだだけの土地であったり、
そういう地勢的条件が生んだギリシャの難民たち。
そしてウガンダの南スーダンからの難民もしかり。

MSFという存在は知っていても、
具体的にどんな活動をしているのか、
まったく今まで知らなかった。
医療活動をしているであろうことは想像できても、
その活動がインフラ整備や性教育などに及んでいるとは、
とても考えもつかないことだった。
考えてみれば、
彼らが必要とされる場所というのは紛争地域が多く、
インフラが整っているはずもなく、
殺人だけではなく心の殺人であるレイプも横行しており、
また知識がないが故の望まない妊娠をすることも、
それ自体はちょっと考えてみればわかることではないか。
まったく自分の無関心さにちょっと腹が立った。

こうした活動を見学すると、
妙な義侠心に駆られて、
「俺たちもできることをするんだ!」という人がいる。
あたかもすぐにでも紛争地に行って何かするんだといわんばかりに。
しかしここにいるのは皆スペシャリストである。
一般人で知識も技術も持たない人間は役に立たない。
筆者もまたその一人であり、
だからこそ彼は現場をできるだけ平易な言葉で伝える、
その役割を担ったのであろう。
そして筆者もまた普通の人だからこそ、
現場を見て素直に感じ取ることができ、
そのことに関して何を感じたのかを語れるのだ。
紛争地で役に立つことができる人はスペシャリスト。
私たちに今できるのは彼らの活動資金の募金くらいなものか。
もちろんそれもそうなのだが、
それよりも何よりも、
彼らが活動する地域で何が起きているのか、
そのことを背景も踏まえて現実を知ること、
それが一番最初にできることなのだ。
そのうえで彼らの力になりたい人は、
自分の持てる力を様々な形で生かせばいい。
私たちは自分たちの足元も危うい現実に、
ついつい世界のことを忘れがちである。
ニュースでワイドショーで取り上げられなければ、
「なかったこと」になりがちだ。
彼らの活動内容は以下から知ることができる。
http://www.msf.or.jp/

残念なのは日本でのMSFの認識が少々甘い点である。
筆者も書いているが、
日本で「国境なき医師団」に参加するとなると、
「閑な人」「酔狂な人」のように受け取られ、
キャリアの一部とみなしてもらいにくいことだ。
医療関係者は違うのかもしれないが、
それ以外の職務で従事した場合、
彼らの日本でのキャリアは一度寸断され、
帰国したところで普通に再就職をしなければならない。
世界各地で起こっている紛争や足りない医療と教育に対応するには、
もっと世界からの力が必要なのに。

紛争地や発展途上の国へ行くのだから、
もちろん危険は常にあるのだし、
彼らの仕事の重さは半端ではない。
ただ日本人はもっと知る必要がある。
知っている人には当たり前のことだろうが、
私のように無知蒙昧な人間にとって、
この一冊は非常に重いものだった。
それと同時に、
「もっとカジュアルに力になれないか」
そう思うだけでも良かったと思うのだ。
MSFだけではなく、
世界中の難民、紛争地域、必要な教育に携わる団体はある。
そんなことを考えるようになっただけでも、
筆者が各地へ行って見て感じて書いた甲斐があると思うのだ。

難しいことは何もない。
ただ読んで感じればいい。
そんな本だったと思う。

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「藝人春秋2 上 ハカセより愛をこめて」「藝人春秋2 下 死ぬのは奴らだ」 [電子書籍]


藝人春秋2 上 ハカセより愛をこめて (文春e-book)

藝人春秋2 上 ハカセより愛をこめて (文春e-book)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: Kindle版



藝人春秋2 下 死ぬのは奴らだ (文春e-book)

藝人春秋2 下 死ぬのは奴らだ (文春e-book)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: Kindle版


内容紹介
芸能界に潜入したスパイ、水道橋博士の極秘レポート!
週刊文春の連載「週刊藝人春秋」に大幅加筆。橋下徹からタモリまで芸能界の怪人奇人を濃厚に描くノンフィクション。抱腹絶倒の上巻。
内容紹介
水道橋博士による芸能界での諜報活動の集大成!
水道橋博士生放送降板事件の真実、石原慎太郎と三浦雄一郎のミステリー、感涙のエピローグなど書き下ろしも。疾風怒濤の下巻。

水道橋博士の文才はわかっていた。
「藝人春秋」も「本業」も読んでいたから。
なんというか切れ味のいいいやらしさのない文章で、
個人的に相性が良いと思える。
この本の設定そのものは「?」と思うところもあるのだが、
博士なりの視点と調査で「ここまで書くか」というところまで、
我々一般大衆が知りえない業界の裏まで書き込んでいる。
ある一部の人には「どうでもいい」ことなのだろうが、
いろいろな騒動があった人に関しては、
「そういうことか」と思わず声に出そうなところもあり、
なかなかにサスペンスフルな内容でもある。

中でも圧巻だったのは石原慎太郎と三浦雄一郎の因縁と確執である。
そこに田中角栄まで絡んでいるのだから、
この両雄の話が面白くないはずがない。
ネタバレするのは避けるが、
石原慎太郎という人は実に不思議な人であり、
天才なのか天災なのかわからない。
もちろん両方なのだが、
その被害を被った三浦雄一郎の事の真相を語るさまもスゴイ。
何とも不思議なのだが、
石原慎太郎が天才ならではの執着体質であるとすれば、
三浦雄一郎は天才ならではの意に介さない体質なのだ。
石原慎太郎が一つ一つを身にまといながら前に進むとすれば、
三浦雄一郎は自らが向かうところに不要なものは忘れて前に進む人だ。
この二人の物語を読むだけでも価値がある。
二人ともまっすぐな人間であるにもかかわらず、
そのベクトルが全く違う方向を向いている。
だからこそ両雄並び立たずなのである。

それにしても、だ。

水道橋博士が長らくうつ病にり患していたとは、
まったく予想だにしないことだった。
たけし軍団の一人として数々の武勇伝には事欠かず、
相棒玉袋筋太郎とともにやらかしたこと、
水道橋博士としてやらかしたこと、
もうその芸歴以上に箔がついている。
頭のいい人だということもわかっていたが、
ご本人が本書までその病歴を明かしたことがなかったのだ。
さらには本書に登場する人に関しても、
うつ症状に悩んでいたことを生々しく記している。
「気分障害」といわれることがあるほどに、
うつ病という病気は上下動がある。
日々を安定して過ごせるならばそれはもう寛解に近い。
しかしそれとていつまた波が押し寄せるかわからない。
そのくらいにこの病気は厄介である。
原因もわかっていないし特効薬もない。
もしわかっているとすれば、
原因は人それぞれであり、
寛解のためには人それぞれの治療法が必要であるということだ。
その波をかき分け溺れながらも、
本書をなんとか書き上げたのには感服。

「藝人春秋」とはいうものの、
登場するのは広義の「藝人」であり、
世間的認識ではそうではない人もいる。
また人によっては遠慮が感じられるところもあり、
それなりに掘り下げ方にムラも感じられる。
しかし個人的には充分に堪能させていただいた。
全編通して見事とはいいがたいが、
それはそれで面白い。
なによりかなり一気に読んでしまったことが、
そのことを証明している。


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「噂は噂 壇蜜日記4」 [電子書籍]


噂は噂 壇蜜日記4 (文春文庫)

噂は噂 壇蜜日記4 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: Kindle版


内容(「BOOK」データベースより)
くしゃみの止まらない猫のために空気清浄機を買い、「不条理の利用」を女子に説き、寿司屋の看板を見て「寿司良いなぁ」と涙し、男の優しさの先にある苦くて甘い「取り返しのつかない何か」をかじりたくなる…“壇蜜”の日常を瑞々しくも不穏な筆致で綴って大反響を呼んだシリーズ、これがまさかの読み納め!?書下ろし日記第四弾。

「壇蜜さん、どうしたの?」と思うくらい、
ネガティブな発言が続く。
世間からどう思われているか、
自意識過剰なんじゃないかと思う。
最近はTV自体あまり観ないので、
ラジオでの壇蜜さん中心なのだが、
余りそういう風には思っていなかった。
かわいい愛猫や魚の話も減って、
なにやらつらそうな話が増えている。
そういうところを隠さないのが壇蜜さんらしいといえばらしいのだが、
「これで終わり」だとしても仕方ないと思ってしまう。

彼女特有の表現方法や、
ものの見方や経済観念、
そういうものが大好きだったのに、
仕事が変わったのか、
忙しいのか、
壇蜜さんの文章にも「疲れ」を感じてしまう。

いつもは面白くて一気読みしてしまうのに、
なんだか今回はいろんなことを考えつつ、
いろんなことを心配して滞ってしまった。

「経年劣化」は誰にでもあるけれど、
もともと遅くからグラビアデビューした壇蜜さんには、
あれこれ言われることも多かったのだろうし、
彼女の才能は識者ほど認めるところだし、
そんなに卑下しなくてもいいはずである。

もっとも白髪が増えたり、
皮膚がたるんだり、
身体のバランスを取りにくくなったり、
自分で感じてしまう経年劣化はつらいものである。

壇蜜さんならそれを乗り越えられる。
そういう存在だと信じているのだが。

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「プラージュ」 [電子書籍]


プラージュ (幻冬舎文庫)

プラージュ (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: Kindle版


内容(「BOOK」データベースより)
仕事も恋愛も上手くいかない冴えないサラリーマンの貴生。気晴らしに出掛けた店で、勧められるままに覚醒剤を使用し、逮捕される。仕事も友達も住む場所も一瞬にして失った貴生が見つけたのは、「家賃5万円、掃除交代制、仕切りはカーテンのみ、ただし美味しい食事付き」のシェアハウスだった。だが、住人達はなんだか訳ありばかりのようで…。

WOWOWでドラマ化されて、
設定はなんとなく知っていたけれど、
ドラマは観る気にならなくて活字で。

前科者が職を見つけられない、
住むところが見つけられない、
たとえ見つかってもどこからか前歴がばれて、
けっきょく再犯するに至るという負のスパイラル。
その話は非常によく語られる。
罪を償って社会に戻っても、
親兄弟さえ受け入れてくれない人もいるという。
では自分はどうかといえば、
事情はあっても人を殺した人が横にいたら、
偏見なしに感情的に受け入れられるか?
それはその時になってみなければわからない。

シェアハウスに暮らすそれぞれの視点で、
少しずつ少しずつ明かされていく彼らの過去。
主人公貴生の一回限りの覚せい剤使用なんて甘いものだ。
もっともっとヘビーな過去を持つ人間ばかり。
それを受け入れる潤子もまた、
なぜこんなシェアハウスを営んでいるのか謎。
話が進むにつれて、
薄紙をはがすように少しずつそれぞれの事情が明かされ、
それとともに心の中がわかっていく。
そして潤子がなぜこのシェアハウスを作ったのかも。

なかなかにヘビーなことも多いのだが、
基本的には優しい物語である。
脛を傷を持つものだからこそわかる、
それぞれが抱える事情への配慮や踏み込まない優しさ。
だからこそ芽生える連帯感。
警察のお世話になったことはなくても、
誰でも一つや二つ心の傷というか、
何かしら後ろめたいところがあるだろう。
それを考えてみたら、
彼らと自分たちの境界線なんて存在しないのだ。
その境界線を取り払う努力をする人たちが、
ドキュメンタリーなどで取り上げられるが、
そういうことが行われているうちはだめなんだと思う。
たとえ前科があっても、
その人の「今」と「未来」をみつめて付き合えないと。

全体的に軽妙な文体とノリで読みやすいが、
実はかなり深い物語だと思う。
今や刑務所も高齢化が著しく、
たとえ出所しても職にもつけず家も見つけられず、
「刑務所の方が居心地が良い」と再犯する人もいるそうだ。
もしかすると刑務所は一般社会の縮図かもしれない。
だとしたら、
彼らはとても貴重な「経験者」である。
濃密な経験を経てきた彼らを、
社会が受け入れることは案外大切なことになるかもしれない。
理想論ではなく、
登場人物たちの来し方を読んでいてそう思った。

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「オプエド 真実を知るための異論・反論・逆説」 [電子書籍]


オプエド 真実を知るための異論・反論・逆説

オプエド 真実を知るための異論・反論・逆説

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
  • 発売日: 2017/11/16
  • メディア: Kindle版


内容紹介
インターネット報道番組「ニューズ・オプエド」は、マスメディアが恣意的に伝えない重大な事件を日々報道、ユーザー数は増え続け、現在30万人(2017年11月時点)の視聴者を有する。オプエドとは「ニューヨーク・タイムズ」が導入した、同じ新聞内で社外の識者らを起用し社説とは反対の意見を掲載する手法。
ゲストコメンテーターは、話題の渦中にいる政治家を始め、事件の当事者や評論家、作家、文化人、タレントらが次々登場。思想や政党の垣根を超え、考え方を異にする人たちが大手マスコミが取り上げない様々な出来事の真相を語り、それに対しての反論があればすぐにスタジオに呼ぶ。政治の裏側・実態を熟知しジャーナリストとしても活躍してきた番組のプロデューサー・上杉隆が、執念の取材活動の舞台裏を明かす。
日本で唯一当選直後のトランプ米大統領と安倍首相のゴルフ場での会談を独占取材したスクープ映像は、全米4大ネットワークであるFOXやアルジャジーラなど世界を駆け巡った。報道後進国に成り下がった日本のメディアの現状に風穴を開ける「ニューズ・オプエド」の記録。

上杉隆という人は損をしている。
今はTVに出演することもほとんどなくなったが、
10年ほど前さかんにコメンテーターをしていたころ、
どんなまじめな話も独自のユーモアで笑わせるというか、
混ぜ返すところがある。
言っていること、書いていることは非常にまじめなのだが、
とにかく茶々を入れるというか、
ふざけるというか、
本質をとらえていれば何とも思わないが、
そこだけクローズアップしてしまうと不快に思う人もいただろう。

その上杉さんが作り上げた「ニューズ・オプエド」。
番組が成立するまでに、
こんな苦労や交渉があったとは。
もちろんいくらインターネット番組でも、
簡単でも安くもないことは理解していたが、
やはり上杉さんがやり続けてきたことがものを言ったのだ。

今のこの国のマスメディアに対して、
何の疑問も持たないとしたら、
それはもう記者クラブや御用メディアに洗脳されている。
一つ一つがおかしなことばかりなのに、
なぜこの国は追及されないのか。
それこそ「忖度」で物事が動いて決まるのか?
では正しいメディアの在り方とは何なのか?

その答えがここにある。

上杉隆という人は正直で、
自分が信じたことにはまっすぐな人である。
だから一瞬疑問に思うこともあるかもしれない。
ただそれは彼の信念に基づくものであり、
間違えていれば訂正することは厭わない。
「ニューズ・オプエド」はまだマスではない。
しかし目指すところはマスではない。
マスであるがゆえに不自由になってしまう。
官房機密費や記者クラブの問題性について、
上杉さんが言及できたのも、
あくまでも本来のメディアのあるべき姿、
権力への批判、権力への疑問を呈す立場にあるからだ。
だからこそせめて自分だけはと思うのだ。
周囲をみればTVや大手新聞の報道を信じ切っている。
私は彼らの平和を覆そうとは思わない。
それで幸せなのだから。
だからこそ「ニューズ・オプエド」発信で、
彼ら自身に疑問を感じてほしいのだ。

その日が来るのかはわからない。
しかしその日を信じるしかない。

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「ヘンな論文 【電子特別版】」 [電子書籍]


ヘンな論文 【電子特別版】 (角川学芸出版単行本)

ヘンな論文 【電子特別版】 (角川学芸出版単行本)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: Kindle版


内容(「BOOK」データベースより)
おっぱいの揺れ、不倫男の頭の中、古今東西の湯たんぽ、猫カフェの効果…なかなか見る機会のない研究論文。さがしてみれば仰天のタイトルがざくざく…。こんなことに人生の貴重な時間を割いている人がいるなんて!

私は東京ポッド許可局のファンである。
きっかけは忘れたw。
ただTBSで放送される前、
本当に細々とPodcastでやっていたころからのファンである。

然るにこの本ももっと早く読みたかった。
しかし次から次へと新刊本は出るし、
古い本にも興味はある。
自分にとって「旬」の作家や本というものもある。
残念ながらこの本はなかなか「旬」にはならず、
まぁそんなところが東京ポッド許可局らしいともいえるのだが。

本当にへんな論文ばかりである。
というか、
「研究対象そこ?」の突っ込みが入るようなものばかり。
ここが私の凡人たるゆえんかもしれない。
そこで研究にすり替えることができる人こそ、
研究者であり学者肌であるのだろう。
そりゃ男なら走る乙女の揺れる胸元に目を奪われるだろう。
しかしそこで、
「じゃあ、揺れることでブラとのずれはどうなるのか?」
そう考える人が素晴らしいのである。
そもそもそういう研究はワコールとかトリンプとか、
下着メーカーの開発担当者とかがしていそうなものだが、
それを「生業」としている会社員は論文にはしない。
論文にする会社員もいることはいるが、
工業系とか理系とかの会社に多いのではないか。
いや、下着だって立派な人間工学なんだけど。

数ある変な論文の中で、
際立っているのが「湯たんぽ」の研究である。
今やいろいろな素材や大きさが揃い、
そのカバーにファッション性まで求められる湯たんぽ。
優しい温かさとエコな印象で人気である。
昔はアルマイト性の不格好な入れ物をタオルなどにくるみ、
低温やけどしないように気を使って使用していたというのに。
その湯たんぽ、
はてさていつから使われているのか?
そもそもそんなことを考えたことがない。
歴史の教科書にも出てくることがない。
大体日本発祥のものなのか?
どんな変遷をたどってきたのか?
それを研究した結果、
理想の湯たんぽまで作ってしまった研究者がいる。
実に純粋に湯たんぽを突き詰めた結果、
使い買ってはともかくとにかく保温性が高い、
奇妙な湯たんぽを作ってしまったのである。

しかし電子書籍版の白眉はその後である。
ひょんなことでこの研究者と直接会うこととなる筆者であるが、
その後何とも言えない悲しい結末が待っていた。
これは読むことでぜひ味わってほしい、
小保方問題にも通じる悲劇である。

研究者にとって「違い」に大きいも小さいもない。

そのことを筆者は繰り返す。
なるほど、
そういうことにこだわるからこその研究なのである。
逆に言えば凡人が見落とす小ささこそが、
研究者の心をくすぐるのだ。

論文は誰が書いても良いものである。
それが採用されるか、
世に認められるかは別問題。
疑問に思ったら研究してみる。
うん、子供ってみんな小さな研究者だよね。

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